ビジネスロー・ダイアリー

中年弁護士の独り言兼備忘録

悩ましいM&A契約の実務問題:クロージングまでの情報提供

M&A契約の実務的な悩みどころとして、私が実務で出会った悩ましい問題をこれからシリーズとして取り上げていきたい。記念すべき第1回はクロージングまでの情報提供について書いていきたい。

 

M&Aは、契約締結から取引の実行(クロージング)までに一定期間が空いていることが通常である。これには様々な理由があるが、代表的なところでいうと、独占禁止法等の取引に関する許可を取得するためのリードタイムが必要であったり、PEファンドであるならばLBOローンを調達するためのリードタイムが必要であることがあげられる。そのため、M&A契約においては、契約締結からクロージングまでの期間において、対象会社の事業の状況について変化がないように一定の行為を制限したり、また、上で記載した競争法上の許可やLBOローン調達のための協力をすることが対象会社に義務付ける(なお、売主に対象会社をしたこのような協力をさせる義務を含む。以下、同趣旨の記載について同じ。)。

 

上記の程度であればクロージングまでの義務として対象会社に義務付けるのが通常であるが、今回検討したいのは、これを超えた情報提供についてだ。すなわち、買手からするとクロージング後すぐに対象会社との統合作業を開始することが望ましいため、クロージング前から統合準備を進めることが重要である。買手がPEファンドの場合はそれがより鮮明であり、彼らはクロージング後100日以内に実施するプランをまとめた「100日プラン」をクロージングまでに作成する。このような統合準備のための情報提供を対象会社に要求することまでM&A契約に書き込むのか、という点について考えてみたい。

 

現状のM&Aプラクティスで考えると、このような目的での情報提供までは契約に書き込むことは少ないと理解している。その理由としては、実務上、このような情報提供は契約の規定がなくても行われるものであり、かつ、必須のものではない(クロージング後じっくり統合作業をするのでよいという割り切りもあり得る)ので、そこまで書き込む必要がない、という点がまずはあげられるだろう。また、クロージング後は買主の傘下に入ることが決まっているため、実務的には、対象会社は買主の傘下に入ったとして動き出す。しかし、形式上は、クロージングまではあくまで売主の子会社である。そのため、対象会社に関する重要事実はインサイダー情報に該当しうるし、競争法的にはクロージングまではあくまで売主の子会社として事業を行う必要がある。このように実質と形式にずれが生じ、あまりに実質を重視しすぎると、上述したようなインサイダー取引の問題や競争法上の問題(いわゆるガンジャンピング)が生じるため、クロージングまでの情報提供の条項はM&A契約には規定されないのであろう。

 

他方、クロージングまでの期間において統合準備をする実務上の必要性は高い。また、インサイダーの問題は、インサイダー情報が生じた場合にはその旨開示する義務が対象会社に通常課されているはずであるし、クリーンチームを敷く等の対応をすれば競争法上の問題を回避することは可能である。したがって、クロージングまでの期間において、統合準備のための情報提供を対象会社側に義務付ける、若しくは情報提供を買主側が要求できる権利を付与する規定をM&A契約に規定してもよいように思える。

 

このように書いてきたが、いざ自分がM&A契約をドラフト・レビューするときにこのような条項を規定するか、については答えはNoであろう。理由は、実務上このような条項が規定されている契約が少ないからなんとなく気持ちが悪いからである。あえてさらに言語化するのであれば、そのようなプラクティスであるため、このような規定があると、対象会社に対して不信感を買主が持っているような印象を与えかねないからだろう。

 

私の中でこの問題については決着がついていない。実務上、なぜこのような規定がなされていないのか、詳しい方がいれば是非教えて欲しい。

雑感:M&A・組織再編スキーム 発想の着眼点70

M&Aロイヤーたるもの、少なくともディールに関係する税務問題の勘所は分かる必要がある。それはずっと分かってはいたものの日々の業務やプライベートに忙殺され、ずっと後回しになっており、ここ数年ほんのりと後ろめたい気持ちを抱えていた。そんな私もこの年末年始に一念発起して、こちらの本を読んだ。

<table border="0" cellpadding="0" cellspacing="0"><tr><td><div style="border:1px solid #95a5a6;border-radius:.75rem;background-color:#FFFFFF;width:504px;margin:0px;padding:5px;text-align:center;overflow:hidden;"><table><tr><td style="width:240px"><a href="https://hb.afl.rakuten.co.jp/ichiba/29a7aa08.392fc3e3.29a7aa09.e22cb8ac/?pc=https%3A%2F%2Fitem.rakuten.co.jp%2Fbook%2F17228469%2F&link_type=picttext&ut=eyJwYWdlIjoiaXRlbSIsInR5cGUiOiJwaWN0dGV4dCIsInNpemUiOiIyNDB4MjQwIiwibmFtIjoxLCJuYW1wIjoicmlnaHQiLCJjb20iOjEsImNvbXAiOiJkb3duIiwicHJpY2UiOjEsImJvciI6MSwiY29sIjoxLCJiYnRuIjoxLCJwcm9kIjowLCJhbXAiOmZhbHNlfQ%3D%3D" target="_blank" rel="nofollow sponsored noopener" style="word-wrap:break-word;"><img src="https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/29a7aa08.392fc3e3.29a7aa09.e22cb8ac/?me_id=1213310&item_id=20724939&pc=https%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fbook%2Fcabinet%2F1815%2F9784502421815.jpg%3F_ex%3D240x240&s=240x240&t=picttext" border="0" style="margin:2px" alt="[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]" title="[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]"></a></td><td style="vertical-align:top;width:248px;display: block;"><p style="font-size:12px;line-height:1.4em;text-align:left;margin:0px;padding:2px 6px;word-wrap:break-word"><a href="https://hb.afl.rakuten.co.jp/ichiba/29a7aa08.392fc3e3.29a7aa09.e22cb8ac/?pc=https%3A%2F%2Fitem.rakuten.co.jp%2Fbook%2F17228469%2F&link_type=picttext&ut=eyJwYWdlIjoiaXRlbSIsInR5cGUiOiJwaWN0dGV4dCIsInNpemUiOiIyNDB4MjQwIiwibmFtIjoxLCJuYW1wIjoicmlnaHQiLCJjb20iOjEsImNvbXAiOiJkb3duIiwicHJpY2UiOjEsImJvciI6MSwiY29sIjoxLCJiYnRuIjoxLCJwcm9kIjowLCJhbXAiOmZhbHNlfQ%3D%3D" target="_blank" rel="nofollow sponsored noopener" style="word-wrap:break-word;">M&A・組織再編スキーム 発想の着眼点70 [ 宮口 徹 ]</a><br><span >価格:4,180円(税込、送料無料)</span> <span style="color:#BBB">(2024/1/13時点)</span></p><div style="margin:10px;"><a href="https://hb.afl.rakuten.co.jp/ichiba/29a7aa08.392fc3e3.29a7aa09.e22cb8ac/?pc=https%3A%2F%2Fitem.rakuten.co.jp%2Fbook%2F17228469%2F&link_type=picttext&ut=eyJwYWdlIjoiaXRlbSIsInR5cGUiOiJwaWN0dGV4dCIsInNpemUiOiIyNDB4MjQwIiwibmFtIjoxLCJuYW1wIjoicmlnaHQiLCJjb20iOjEsImNvbXAiOiJkb3duIiwicHJpY2UiOjEsImJvciI6MSwiY29sIjoxLCJiYnRuIjoxLCJwcm9kIjowLCJhbXAiOmZhbHNlfQ%3D%3D" target="_blank" rel="nofollow sponsored noopener" style="word-wrap:break-word;"><img src="https://static.affiliate.rakuten.co.jp/makelink/rl.svg" style="float:left;max-height:27px;width:auto;margin-top:0" ></a><a href="https://hb.afl.rakuten.co.jp/ichiba/29a7aa08.392fc3e3.29a7aa09.e22cb8ac/?pc=https%3A%2F%2Fitem.rakuten.co.jp%2Fbook%2F17228469%2F%3Fscid%3Daf_pc_bbtn&link_type=picttext&ut=eyJwYWdlIjoiaXRlbSIsInR5cGUiOiJwaWN0dGV4dCIsInNpemUiOiIyNDB4MjQwIiwibmFtIjoxLCJuYW1wIjoicmlnaHQiLCJjb20iOjEsImNvbXAiOiJkb3duIiwicHJpY2UiOjEsImJvciI6MSwiY29sIjoxLCJiYnRuIjoxLCJwcm9kIjowLCJhbXAiOmZhbHNlfQ==" target="_blank" rel="nofollow sponsored noopener" style="word-wrap:break-word;"><div style="float:right;width:41%;height:27px;background-color:#bf0000;color:#fff!important;font-size:12px;font-weight:500;line-height:27px;margin-left:1px;padding: 0 12px;border-radius:16px;cursor:pointer;text-align:center;"> 楽天で購入 </div></a></div></td></tr></table></div><br><p style="color:#000000;font-size:12px;line-height:1.4em;margin:5px;word-wrap:break-word"></p></td></tr></table>

 

こちらの本をピックアップした理由は、友人の税理士の大先生にはじめの一歩の本として推薦されたからだ。私の信頼している友人であったので、白状すると、内容をきちんと精査せずに買ってしまった。しかし、この判断は大正解であった。私がここ2,3年で読んだ本の中で指折りにいい本だったので是非皆さんにも紹介したい。

 

この本の構成は大きく分けて2部構成になっている。1部はディールに関連する税務の基礎知識を網羅的に紹介し、2部では事例ごとのタックスイシューを紹介している。1部で紹介した基礎知識を、2部で事例の形で応用するという構成だ。2部を読み進める際には、何度も何度も1部に立ち返る必要があったが、そのお陰で基礎知識の理解が進む。この本を読み終えたときには、税務の問題を立体的に理解できている感覚があった。

 

この本の特筆すべき点は2点あると思う。

 

1点目はあえて大所高所から記載していることだ。同じ専門家として枝葉を大胆に切る勇気に敬意を表したい。我々専門家は後々問題になることを避けるため、どうしても細かい点まで説明したがる。しかし、読み手・聞き手の立場からすると、それが理解を困難にさせる。分かっていても辞められない専門家の悪癖だ。この悪癖があるからこそ、税務・会計・法律の本は素人にとっては理解が困難(不可能?)な内容となっていることが多い。しかし、この本はそのような専門家の悪癖を可能な限り排除しており、あえて大所高所から論じている。そのため、税務の素人である私でも(容易とまではいかないが、落ち着いて読めば)理解できる内容であった。この分野の他の本も読んでみたが、内容としては非常に高度で、税理士の先生が実務的に使うのであれば有用と思われるが、私のような素人にとっては理解が困難であった。

 

2点目は実務で出くわす論点が豊富に盛り込まれていることだ。この手の本はアカデミックに偏り過ぎて、実務では問題にならない細かい論点も多く含まれてしまうことがある。しかし、この本は実務に立脚するもので、私のようなM&Aロイヤーの端くれが何度も出くわした税務上の論点をカバーしている。例えば、みなし配当制度を用いた節税策、スクイーズアウトの課税関係、グループ法人制度からの脱退時における売主・買主の課税関係といった実務では必ず目にする論点がカバーされている。この本を執筆した先生方は実務を現役で担当している経験豊富な方であろうことが推測される。

 

繰り返しになるが、私が近年読んだ中で指折りで勉強になった本だ。この本は税理士以外でM&Aに関与する実務担当者の必携の本になるだろう。もし迷われている方がいたら、騙されたと思って是非購入されたい。

M&Aロイヤーが学ぶべき近接領域

今日は弁護士は隣接領域を学ぶべきかという弁護士であれば誰でも直面する問題について私の考えを書いてみたいと思う。想像のとおり、この答えはYesであろう。特に自分が専門とする分野の近接領域は学ぶべきだ。例えば、Tech関連のスペシャリストになりたいのであればTechの勉強は必要だろう。では、私のようなM&Aを専門(重きを置いている?)弁護士において隣接領域とは何だろうか。M&Aは知の総合格闘技と言われるように、ファイナンス、会計、税務、法務そしてビジネスそれ自体が関係する。したがって、学ぶべき近接領域も当然にして広くなる。もちろんこの分野全てに詳しくなることが望ましい。しかし、実務を回しながらこれらの分野に全て詳しくなるのは某四大のスーパースターのような先生ではないと無理だろう。

では、この中でどの分野を注力すべきだろうか。個人的な回答としては、ファイナンス、その中でも特にバリュエーションだと思う。私もまがいなりにもこの仕事を10年近くしてきたが、バリュエーションの勉強をしてから、M&Aをより立体的に捉えることができるようになった。

バリュエーションがなぜ重要か。分かりやすいところで言えば価格調整条項に影響するからだ。価格調整条項は会計的な観点からも確認する必要もあるが、同時に何をどのようなロジックで調整するかはバリュエーションの観点から考える必要がある。例えば、価格調整の一部となっている「有利子負債」は、財務モデルにおいてエクイティバリューを計算するために算出した有利子負債及び有利子負債同等物(デットライクアイテム)と対応しているか。これが対応していない場合、依頼者が考えている株式価値(=財務モデルで見ている株式価値)と価格調整の結果算出される株式価値(=実際の支払額)がずれてしまうことになる。このようにバリュエーションの基礎的理解があることは価格調整条項を検討するうえで必要不可欠である。

さらにいうと、M&Aで一番重要なのは価額だ(もちろんこれは一般論である。全く別のアングルからM&Aが実施されることもある。)。したがって、依頼者の興味関心は必然的に価額に影響する事項に集中する。価額は当然ながらバリュエーション理論に基づき検討されるので、バリュエーション理論を知っていれば、依頼者が何を議論しているのか、何を懸念しているのかの理解が深まる。法務DDの報告会で「事業計画に織り込まれているのか」といったやり取りを一度は聞いたことがあると思う。事業計画に織り込まれている=将来CFに対する影響を考慮している=価額に織り込まれているということなのであるが、この言葉が多用されることから明らかなとおり、依頼者が真に興味があるのは価額なのである。

とここまでバリュエーションの重要性を語ってきて、後は自分で勉強してください、というのは少し無責任な感じがするので、私のお勧めの本を紹介する。

まずはこちら。こちらの本の目的はバリュエーションの理論を学ぶ上での大前提となる財務三表の結びつきを理解することだ。会計的な知識があまりなくても財務三表の結びつきが理解できる圧倒的な名著である。

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これを踏まえたうえでバリュエーションの理論を学ぶことになるのが、理論面からの説明はこちらの本で十分であろう。そこまで長い本ではないが、実務で使われているバリュエーションの考え方としてはこれで十分。

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そして、バリュエーションの実践編としてはこちらの本がよい。この本には様々なバリュエーション理論が紹介されているが、まずはDCF法部分を学べば十分だろう。こちらの本にはエクセルファイルも付属されており、実際に手を動かして、学んだバリュエーション理論を実践できる。読者諸兄もご理解のとおり、アウトプットをすると一気に理解が深まる。

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いずれも名著であり、私が紹介する必要のない本ではないが、これらの本を学べば、弁護士として理解しておくべきバリュエーション理論としては十分だろう。むしろ、この程度のことも理解していない弁護士が多いので、これらを知るだけで十分差別化につながると思う。

司法試験におけるPC使用解禁の寄せて

司法試験がついにPC利用を解禁するらしい。腱鞘炎になりつつも答案を作成していた世代からすると隔世の感がある。確かに、ペンで長い訴状・契約書etcを書くことなんて決してない時代であるので、PC利用を認めるのが当然であろう。そういえば遠い昔に受験したNY州の司法試験でもPC利用は認められていたし、米国では10年(若しかしたら20年)くらい前からPC利用が認められていたのではないか?

 

他方、PC利用が解禁されると求められる答案の質も上がるように思う。手書きではどうしても記述量に限界があり、それが答案の標準化に繋がっていたように思う。すなわち、手書きでは、「本当は書きたいことはまだあるが時間の関係上致し方なく削る」ということが頻繁に起こっており、最良の答案でもすべてを書き切っていることはなかったのではないか?PC利用が認められると、規定時間内に記載できる量も飛躍的に大きくなるので、上記のような事態が生じにくくなると思われる。その結果、受験生の実力がより如実に表れるのではないか?

 

いずれにせよこの変更が司法試験受験生を増やす良い方向の改革になって欲しい。私としては弁護士の仕事の魅力にもっと多くの人に気づいて欲しいのだ。

 

弁護士は規制産業であるので、他業種よりも競争が限定的だ。これが他業種よりも高い単価が正当化される理由である。例えば、弁護士業界に近いコンサル業界を見て欲しい。コンサル業界は強い需要に引っ張られ、採用を増やし、供給量を増やそうと躍起になっている。P●Cの痺れる程格好いい動画広告は人手がひっ迫している証左だろう。

 

しかし、皮肉なことに、これが逆にコンサルのコモディティ化を進めている。10数年前には考えられなかったようなプライスでビジネスコンサルが利用できる時代になっている。もちろんTier 1のコンサルは未だに高いプライスを維持できているが、顧客もTier 1のコンサルを利用する場面は少ないことを認識し始めており、Tier 2以下若しくはTier 1出身者が立ち上げた新興ファームに案件を依頼する機会が多い。BDDでもMBBが登場する機会が明らかに減った。

 

他方で、弁護士も着実に人は増えてはいるものの、供給される人数が他業界に比べて圧倒的に限定的だ。M&A法務はコモディティ化されており、Tier 2又は四大出身の新興ファームに流れると言われ続けているが、その流れは想定以上にスローだ。このような事務所では人手が足りず大規模案件を受任することが難しいからである。したがって、弁護士業界は未だにHigh Priceを維持できているし、何なら毎年少しずつ単価は上がってきている。

 

ご存知のとおり、更にM&A法務がコモディティ化していると思われる米国では、初任給が20万ドル(日本円で2400万円(!!))の大台を超えている。日本の法律業界もここまでとは言えないが、今後もタイムチャージは伸び続ける可能性が高い。実際に某四大事務所の友人によると、勤続5年超で2や3を超える金額をもらっている人もいるらしい。ちなみにコンサル業界では5年目のアソシエイトの給与はその額に遠く及ばない。もしかしたら外銀ではボーナス次第ではそのレベルに達するかもしれないが、それでも数年に1回あるかないかだろう。私のような中小規模の企業法律系の法律事務所でも1は優に超えている。

 

上記では企業法務の話をしたが、やはり儲かるのは地方での独立開業だ。私は登録10年前後だが、地方で成功した同期の話を聞いていると豪商感がある。●百坪の庭付き一戸建てを保有し、車はベンツ、夏はBBQに冬はスキーにと、、、羨ましい限りだ。

 

私はお世辞にも頭がいい人間とは言えない。大学の同期は私よりも遥かに優秀であった。それにも関わらず、私が人並み以上に稼げているのは弁護士という資格で守られている職業についているからである。当たり前であるが、競争が激しいところに行ったらリターンも大きいが、リスクも大きい。死屍累々の屍の上に少数の成功者がいるだけだ。それであれば、リターンも中程度であるが、リスクも中程度の競争が激しくない業界の方が期待リターンは高い。弁護士業界はまさしくそのような業界だ。リターンは中程度といっても若くしてFIREするくらい、若しくは、地方で豪商ができるくらいのリターンは見込める「美味しい」職業だ。ちなみに、一般的に尊敬されるのも小さな自尊心を満たしてくれる。

 

ということで、司法試験にためらっている方がいれば是非この業界に飛び込んで欲しい。基礎学力がある方であれば、ロースクールに行って真面目に勉強すれば、ほぼ確実に合格できる試験になってきている。動くのであれば不人気な今がチャンスだ。

プロフェッショナルファームにおける上司論

やっと私にも後輩というものができてきており、上司とは何かについて考えさせられることが多い。今日は私が考える上司像について少し書いてみたい。

 

まずプロフェッショナルファームにおける上司の役割とは何か?一番の役割は仕事をとってくることだろう。プロフェッショナルファームではジュニアは手を動かす仕事、シニアが仕事をとってくると相場が決まっている。この理由はジュニアレベルでは依頼者と対等に話せず(依頼者の方が詳しいことも多々あり)、仕事をとってくるのが難しいからであろう。また、依頼者も責任ある立場の方が多く、社内での説明責任を果たすうえである程度キャリアを重ねた弁護士に依頼をせざるを得ないという側面もあるだろう。

 

かく言う自分もジュニアレベルでお客さんを獲得しようと試みたが、同年代であればまだしも、やはり一回り二回り上の世代の担当者にお客さんになってもらうのには高い壁を感じた。

 

さて、仕事をとってくることができたとして、次はチームメンバーを使ってプロフェッショナルなクオリティの成果物を作らなければならない。プロフェッショナルファームのメンバーであれば仕事のクオリティを高めることが個人の技能を高めることに通じるので(仕事の成果が個人の成長に直結するので)、放っておいてもある程度の成果物はできる。しかし、これで満足してはいけない。他の競合も同じようなクオリティは出すことができ、これを続けるだけではいつかは競争力を失い、顧客を失ってしまう。

 

したがって、チームメンバーの個々人のディスプリンに任せるだけでなく、チームメンバーの熱意を高め、普通以上のコミットを出せしてもらわなければならない。

 

では、このようなコミットをチームメンバーから引き出すために必要な要素は何か?

 

私は、上司がチームメンバーからリスペクトされることがもっとも重要と考える。自分自身のジュニア時代を鑑みるにやる気がでるか否かは、①案件の種類と②働く人に影響される。①については、自分の興味関心がある案件か否かであり、例えば、自分の場合は敵対的買収(今風にいうと同意なき買収)のようなお祭り案件は燃え尽きるまで働いた。②は、チームメンバーも重要であるが、上司が誰であるかは大きかった。上司が尊敬できる人または好きな人であれば、タイトな案件・厳しいクライアントでも、「あの人のためなら仕方ない」と思えた。①にも②にも該当しない場合、自分のコミットメントはどうしても落ちてしまっていたように思う。

 

さて、これを上司の立場から考えた場合はどうか?

 

まず①については適材適所になるようなチームメンバーの構成を考えるという当たり前の結論にいきつくだろう。そのためにはチームメンバーの興味関心・稼働状況に日頃から気を配っておく必要がある。ただ、私の事務所のようにスモールな事務所では人材が常に枯渇しており、最適なメンバー構成を考える余地がない場合もある。

 

そうなると、より重要なのは②になるが、では、どうすればチームメンバーから尊敬されることができるのか?これもジュニア時代を振り返って考えると、能力若しくは人格のいずれかが優れている人でなければ尊敬できなかった。もちろんいずれも優れているのが望ましいが、そのような人は中々いない(むしろこれはなぜか反比例の関係にあるような気さえする)。したがって、上司にとって重要なのはこのいずれかを磨かなければいけない。

 

事業会社のようにそもそも目的から考える必要がある場合と異なり、プロフェッショナルファームでは目的は明確であり、進むべき方向ははっきりしている。そのような職場では人格と能力を磨くという職人的な素質がリーダーシップにおける重要な要素になっているように思う。

 

一時期プロフェッショナルファームの経営層に外部人材を取り入れることがしきりに議論されていたが、上記のようなプロフェッショナルファームのリーダーシップの在り方を考えると、外部人材にプロフェッショナルファームを経営するのは相当程度困難なように思う。やはりその事務所内で能力と人格を認められた人物が経営すべきなのだろう。

 

話が少し大きくなってしまったが、私が思うプロフェッショナルファームにおける上司像を今日は書いてみた。自分で書いていてなんであるが、この業界で生きていくことは仕事自体が好きでないと中々大変であるなと改めて思わされる結果になってしまった。今日も明日も明後日も勉強をしなければ。。。

JIPによる東芝に対する公開買付けに関する契約の雑感②

 

大分時間が経ってしまったが、JIPの東芝に対する公開買付けについて筆を進めていきたい。

 

前回はこちらから

 

businesslaw-diary.com

 

 

4.表明保証

 

表明保証についても予告プレスには記載されている。JIP側の表明保証は通常のM&Aにおける買主側の表明保証と同様、ライトなものになっている。特筆すべきは東芝側の表明保証であろう。東芝側の表明保証は以下のとおりだ。

 

本公開買付契約において、…当社(筆者注:東芝)は、

①設立、存続及び権限の有効性、

②本公開買付契約の締結及び履行に必要な権利能力及び行為能力、

③本公開買付契約の有効性及び強制執行可能性、

④本公開買付契約の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、

⑤反社会的勢力との取引・関与の不存在、

⑥倒産手続の不存在、

⑦有価証券報告書の正確性、並びに

⑧当社が公開買付者に開示した一定の情報の正確性

について表明及び保証を行っております。

 

記載から見て分かるとおり、表明保証の内容は非常に限定的なものとなっている。

 

通常のM&Aでは、いわゆるファンダメンタルRepと呼ばれる表明保証とビジネスRepと呼ばれる表明保証がなされる。前者については、その名前のとおり、取引の根幹をなす基礎的な事項に関する表明保証であり、具体的には会社の有効な設立、契約の有効な成立等である。後者は、対象会社の事業に関する表明保証であり、具体的には、例えば、法令順守、契約不履行の不存在、訴訟・紛争の不存在等々が挙げられる。

 

通常のM&Aでは、後者のビジネスRepが表明保証条項が「肝」となる。なぜならば、通常ファンダメンタルRepについては問題ないことが多くあり(問題があった場合でも他の条項等で何らかの手当てがされる)、リスクの分担と情報開示という表明保証の機能が発揮されるのはビジネスRepだからである。しかし、東芝の案件においてはこのビジネスRepがすっぽりと抜けている。

 

考えられる可能性としては、買主が十分にDDを実施することができ対象会社の事業について一点の曇りもないか、売主の方が交渉力が強くビジネスRepを一切受け入れられないという主張を買主側が応諾せざるを得なかったかであるが、、前者は実務上まずありえないので、後者(売主の交渉力が非常に強かった)が実際のところなのだろう。

 

他方、東芝の表明保証として情報開示の正確性の表明保証(⑧)がされている。この表明保証が売主に応諾されることはまずない。なぜならば、DDでは大量の資料が開示され、その資料の全てを細部にわたるまで売主がチェックすることは困難であるため、提出した資料が全て正確であることを表明保証するのは高いハードルがあるからである。しかし、東芝はこの表明保証を受けている。

 

これは私の想像にすぎないのであるが、JIPはビジネスRepを一切要求しない代わり、この情報開示の正確性に関するRepを要求し、東芝がこれを受けたのであろう。JIPとしては、開示された情報が正確なのであれば、東芝の実像は自分達がDDで知った東芝像は一致しているはずであり、ビジネスRepは不要と整理したのではないだろうか?

 

5.取引保護条項

 

取引保護条項とは、公開買付けの案件で付されることがある条項であり、主に米国で発展した条項である。公開買付けになると、いわば対象会社はon saleであることが市場に知れ渡る。その結果、公開買付けの発表後、意図せぬ第三者から買付提案を受ける可能性がある。このような買付提案を受けた場合に、対象会社側が元々の買主側に有利になる方向で動くよう義務付けるのが取引保護条項である。

 

ここで「有利になる方向で」で少しぼやかした記載にしたのは、対象会社の善管注意義務と関係している。すなわち、必ず元々の買主を実行しなければならないと義務付けてしまうと、対象会社の取締役の善管注意義務に違反する場合があるのである。例えば、元々の買主の提案価格が100円、意図せぬ第三者からの提案価格が1000円だった場合、少数株主は意図せぬ第三者からの提案を好むであろう。それにも関わらず、対象会社の取締役が少数株主の利益を鑑みずに100円の提案(元々の買主の提案)を優先することは、対象会社の取締役は善管注意義務に違反するのではないのかと議論されているのである。

 

米国では上記の場合は善管注意義務違反になると考えられているが、日本では必ずしも善管注意義務違反にならない(価格だけでは違反か否かは断言できず状況次第)と考えるのが実務感覚であり、東京高裁も似たような判断をしている。

 

さて、本件における取引保護条項は以下のとおりだ:

 

また、本公開買付契約においては、当社は、自ら又は第三者を通じて、競合取引に関する交渉等の一切を行わず、又はその子会社をして行わせてはならないものとされており、当社が競合取引に関する申出を受け、又は、その子会社が申出を受けたことを認識した場合には、直ちに、公開買付者に対して、その旨及び当社が認識する限りの合理的な範囲 で当該申出の具体的な内容を通知し、公開買付者とその後の対応について協議するものとされております。

なお、当社が競合取引に関する交渉等の禁止に係る義務に違反することなく、公開買付者以外の者が本対抗提案を行った場合には、(i)本公開買付けが成立する前に限り、本対抗提案を行った者との間で、本対抗提案に関連した協議、交渉、情報提供、当該提案に対する応答を行うことは妨げられないとされており、また、 (ii) 当社は、(x) 本賛同意見を維持することが当社の取締役の善管注意義務違反を構成する合理的な可能性がある旨の外部弁護士の意見書の提出を受けること、 (y)本対抗提案の受領及び当該意見書の取得について直ちに公開買付者に通知し、当該通知後5営業日後の日又は本公開買付期間の末日の5営業日前の日のいずれか早い日までの間、本取引に係る再提案の機会を与えるために直ちに公開買付者と誠実に協議すること、及び、 (z) 当該協議の結果、公開買付者が、本対抗提案が提示する公開買付価格を超える価格に引き上げる旨の再提案を行わないことを条件として、本賛同意見の変更又は撤回を行うことができるものとされております。

また、当社が本賛同意見の変更又は撤回を行った場合、当社又は公開買付者は本公開買付契約を解除できることとされており、これによって本公開買付契約が解除されたときは、公開買付者は、 ブレークアップ・フィーとして、当社から20億円を受け取ることができるものとされております。

 

非常に長いので簡単にまとめると、「競合取引は原則として禁止だが、例外として、(x)JIPとの取引を継続するが取締役の善管注意義務違反となる可能性があるという意見を弁護士から取得し、(y)JIPに対して再提案をする機会を与えたにもかかわらず、(z)JIPが再提案をしなかった場合は、競合取引を優先してもよい」とされている。また、「東芝が競合取引を優先した場合、JIPは契約を解除したうえ東芝に20億円を請求できる」という規定になっているようである。

 

この規定自体は日本における一般的な取引保護条項であるが、JIPの再提案期間がたった5営業日しかないこと、ブレークアップ・フィーが20億円になっていることから、東芝の交渉力の強さが伺える。

 

6.終わりに

 

各条項に東芝の交渉力が強いといった言及をしたが、これは不適切であり、むしろJIPがリスクをとって本件を取りに行ったと見ることができるかもしれない。報道によると、11月頃から対抗馬はいなくなっていたはずなので、JIPとしてはもっとごねることができたはずであろう。それにもかかわらず、東芝に有利な条件を飲んでいるということは、本件取引を採りに行くというJIPの執念の現れかもしれない。

 

JIPは日系企業10数社と交渉して、数千億円という単位のお金を集めたという報道もあった。このことから考えても、このディールはJIPの執念の賜物なのかもしれない。

「ビジネス教養としての半導体」の感想とものづくり太郎様について

半導体が騒がれているので読んだ一冊の紹介。

 

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著者は半導体商社の代表取締役。著者の会社は2001年に設立され、2004年にはマザーズ上場(すごい!)、その後、米国企業(アロー・エレクトロニクス)の子会社となったようだ。

 

この本は前々から話題になっていたし、Amazonの評価も高いので相当期待していたが、正直な感想は少し期待外れといったところだ。初心者向けの本ということで致し方ないのであろうが、内容としてはネット記事をまとめた程度の情報量にとどまっていた。他方、初心者向けにも関わらず、IDM等のテクニカルワードが急に使われたりと、きちんと理解するには別の媒体を参照する必要があり、決して親切な本ではなかったように思う。

 

この本の概要をまとめられると以下のとおりだ:

・半導体は1兆ドル市場にも到達する成長市場。

・半導体市場に関わるプレイヤーは多岐にわたる。垂直統合モデルで半導体を製造するメーカー、水平分業モデルで半導体を製造するメーカー、半導体装置メーカー、半導体材料メーカー、半導体商社等々があげられる。

・半導体製造には様々なプレイヤーが関与していることもあり、半導体のサプライチェーンは非常に複雑かつ世界中に張り巡らされている。その結果、サプライチェーンは脆弱となっている。

・日本企業はかつては半導体市場の雄であったが現在はその勢いに陰りが見える。特に最先端半導体メーカー(工場)がない点が痛手。しかし、半導体材料、半導体装置、半導体製造の後工程ではシェアが高く、プレゼンスが高い。日本企業は半導体市場において厳しい闘いを迫られているが、日本には優秀な半導体設計者が生まれる可能性もあるし、また、優れた電子装置メーカーもありその電子装置メーカーとリエゾンして半導体を製造することも考えられることから、勝ち筋もあるだろう。

 

記載のとおり特に珍しい内容ではなく、この分野に興味がある方であれば一度は目にした言説であろう。

 

したがって、この分野について全く調べたことがない人にとっては適切な入門書かもしれないが、そうでない人にとっては入門書としても少し歯ごたえがない内容になってしまっていると思う。

 

この本以外にお勧めの入門書があれば教えて欲しいが、半導体を調べているときに発見したこのYouTuberを是非とも紹介したい。

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ものづくり太郎さんの詳細は不明であるが、動画内容は秀逸である。どの動画を見ても基本的には基礎的な内容から入り、その後応用的内容(その動画の主題)を説明する形になっているので、初めて半導体に触れる方にとっても優しい内容になっている。動画の内容が少し難しかったとしても、半導体だけでも製造工程から各メーカーの紹介、最新の半導体関連技術(パッケージング技術のトレンド)の紹介等、非常に豊富なラインナップになっているため、かならず基礎的な内容を説明した動画もあるというのも魅力的である。

 

また、ビジュアルを使っての説明なので(私のような文系には)イメージが湧きにくい、製造工程等の技術的な内容もすっと入ってくる。論より証拠。まずは半導体の製造工程に関するこの動画を是非観て欲しい。

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私が何より感動したのは、技術面に終始するだけでなく、ビジネス的に側面にも踏み込んだ解説もしていることだ。例えば、半導体装置メーカーを説明したこの動画は一見の価値ありだ。

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我々弁護士的な感覚からすると映像で学ぶことは邪道、本で学ぶこと王道という刷り込みがあるが、動画のクオリティが本のクオリティを勝る例をまざまざと見せつけられたような気がする(未知の分野を学ぶときは動画コンテンツに一日の長があるのでその点は割り引く必要があるが)。

 

話が逸れてものづくり太郎さんの礼賛のポストとなってしまった。ただ、弁護士諸兄は、仕事において依頼者のビジネスが十分に理解できない(その結果、契約書の肝も分からない)という経験を誰もがしているだろう。そのようなとき、我々はどうしても本等の活字媒体で調べてしまいがちであるが、動画コンテンツもあなどるなかれである。是非一度YouTube等の動画コンテンツで調べてみて欲しい。そして、ものづくり太郎さんのクオリティに驚いてほしい笑