ビジネスロー・ダイアリー

中年弁護士の独り言兼備忘録

雑感:M&A・組織再編スキーム 発想の着眼点70

M&Aロイヤーたるもの、少なくともディールに関係する税務問題の勘所は分かる必要がある。それはずっと分かってはいたものの日々の業務やプライベートに忙殺され、ずっと後回しになっており、ここ数年ほんのりと後ろめたい気持ちを抱えていた。そんな私もこの年末年始に一念発起して、こちらの本を読んだ。

<table border="0" cellpadding="0" cellspacing="0"><tr><td><div style="border:1px solid #95a5a6;border-radius:.75rem;background-color:#FFFFFF;width:504px;margin:0px;padding:5px;text-align:center;overflow:hidden;"><table><tr><td style="width:240px"><a href="https://hb.afl.rakuten.co.jp/ichiba/29a7aa08.392fc3e3.29a7aa09.e22cb8ac/?pc=https%3A%2F%2Fitem.rakuten.co.jp%2Fbook%2F17228469%2F&link_type=picttext&ut=eyJwYWdlIjoiaXRlbSIsInR5cGUiOiJwaWN0dGV4dCIsInNpemUiOiIyNDB4MjQwIiwibmFtIjoxLCJuYW1wIjoicmlnaHQiLCJjb20iOjEsImNvbXAiOiJkb3duIiwicHJpY2UiOjEsImJvciI6MSwiY29sIjoxLCJiYnRuIjoxLCJwcm9kIjowLCJhbXAiOmZhbHNlfQ%3D%3D" target="_blank" rel="nofollow sponsored noopener" style="word-wrap:break-word;"><img src="https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/29a7aa08.392fc3e3.29a7aa09.e22cb8ac/?me_id=1213310&item_id=20724939&pc=https%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fbook%2Fcabinet%2F1815%2F9784502421815.jpg%3F_ex%3D240x240&s=240x240&t=picttext" border="0" style="margin:2px" alt="[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]" title="[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]"></a></td><td style="vertical-align:top;width:248px;display: block;"><p style="font-size:12px;line-height:1.4em;text-align:left;margin:0px;padding:2px 6px;word-wrap:break-word"><a href="https://hb.afl.rakuten.co.jp/ichiba/29a7aa08.392fc3e3.29a7aa09.e22cb8ac/?pc=https%3A%2F%2Fitem.rakuten.co.jp%2Fbook%2F17228469%2F&link_type=picttext&ut=eyJwYWdlIjoiaXRlbSIsInR5cGUiOiJwaWN0dGV4dCIsInNpemUiOiIyNDB4MjQwIiwibmFtIjoxLCJuYW1wIjoicmlnaHQiLCJjb20iOjEsImNvbXAiOiJkb3duIiwicHJpY2UiOjEsImJvciI6MSwiY29sIjoxLCJiYnRuIjoxLCJwcm9kIjowLCJhbXAiOmZhbHNlfQ%3D%3D" target="_blank" rel="nofollow sponsored noopener" style="word-wrap:break-word;">M&A・組織再編スキーム 発想の着眼点70 [ 宮口 徹 ]</a><br><span >価格:4,180円(税込、送料無料)</span> <span style="color:#BBB">(2024/1/13時点)</span></p><div style="margin:10px;"><a href="https://hb.afl.rakuten.co.jp/ichiba/29a7aa08.392fc3e3.29a7aa09.e22cb8ac/?pc=https%3A%2F%2Fitem.rakuten.co.jp%2Fbook%2F17228469%2F&link_type=picttext&ut=eyJwYWdlIjoiaXRlbSIsInR5cGUiOiJwaWN0dGV4dCIsInNpemUiOiIyNDB4MjQwIiwibmFtIjoxLCJuYW1wIjoicmlnaHQiLCJjb20iOjEsImNvbXAiOiJkb3duIiwicHJpY2UiOjEsImJvciI6MSwiY29sIjoxLCJiYnRuIjoxLCJwcm9kIjowLCJhbXAiOmZhbHNlfQ%3D%3D" target="_blank" rel="nofollow sponsored noopener" style="word-wrap:break-word;"><img src="https://static.affiliate.rakuten.co.jp/makelink/rl.svg" style="float:left;max-height:27px;width:auto;margin-top:0" ></a><a href="https://hb.afl.rakuten.co.jp/ichiba/29a7aa08.392fc3e3.29a7aa09.e22cb8ac/?pc=https%3A%2F%2Fitem.rakuten.co.jp%2Fbook%2F17228469%2F%3Fscid%3Daf_pc_bbtn&link_type=picttext&ut=eyJwYWdlIjoiaXRlbSIsInR5cGUiOiJwaWN0dGV4dCIsInNpemUiOiIyNDB4MjQwIiwibmFtIjoxLCJuYW1wIjoicmlnaHQiLCJjb20iOjEsImNvbXAiOiJkb3duIiwicHJpY2UiOjEsImJvciI6MSwiY29sIjoxLCJiYnRuIjoxLCJwcm9kIjowLCJhbXAiOmZhbHNlfQ==" target="_blank" rel="nofollow sponsored noopener" style="word-wrap:break-word;"><div style="float:right;width:41%;height:27px;background-color:#bf0000;color:#fff!important;font-size:12px;font-weight:500;line-height:27px;margin-left:1px;padding: 0 12px;border-radius:16px;cursor:pointer;text-align:center;"> 楽天で購入 </div></a></div></td></tr></table></div><br><p style="color:#000000;font-size:12px;line-height:1.4em;margin:5px;word-wrap:break-word"></p></td></tr></table>

 

こちらの本をピックアップした理由は、友人の税理士の大先生にはじめの一歩の本として推薦されたからだ。私の信頼している友人であったので、白状すると、内容をきちんと精査せずに買ってしまった。しかし、この判断は大正解であった。私がここ2,3年で読んだ本の中で指折りにいい本だったので是非皆さんにも紹介したい。

 

この本の構成は大きく分けて2部構成になっている。1部はディールに関連する税務の基礎知識を網羅的に紹介し、2部では事例ごとのタックスイシューを紹介している。1部で紹介した基礎知識を、2部で事例の形で応用するという構成だ。2部を読み進める際には、何度も何度も1部に立ち返る必要があったが、そのお陰で基礎知識の理解が進む。この本を読み終えたときには、税務の問題を立体的に理解できている感覚があった。

 

この本の特筆すべき点は2点あると思う。

 

1点目はあえて大所高所から記載していることだ。同じ専門家として枝葉を大胆に切る勇気に敬意を表したい。我々専門家は後々問題になることを避けるため、どうしても細かい点まで説明したがる。しかし、読み手・聞き手の立場からすると、それが理解を困難にさせる。分かっていても辞められない専門家の悪癖だ。この悪癖があるからこそ、税務・会計・法律の本は素人にとっては理解が困難(不可能?)な内容となっていることが多い。しかし、この本はそのような専門家の悪癖を可能な限り排除しており、あえて大所高所から論じている。そのため、税務の素人である私でも(容易とまではいかないが、落ち着いて読めば)理解できる内容であった。この分野の他の本も読んでみたが、内容としては非常に高度で、税理士の先生が実務的に使うのであれば有用と思われるが、私のような素人にとっては理解が困難であった。

 

2点目は実務で出くわす論点が豊富に盛り込まれていることだ。この手の本はアカデミックに偏り過ぎて、実務では問題にならない細かい論点も多く含まれてしまうことがある。しかし、この本は実務に立脚するもので、私のようなM&Aロイヤーの端くれが何度も出くわした税務上の論点をカバーしている。例えば、みなし配当制度を用いた節税策、スクイーズアウトの課税関係、グループ法人制度からの脱退時における売主・買主の課税関係といった実務では必ず目にする論点がカバーされている。この本を執筆した先生方は実務を現役で担当している経験豊富な方であろうことが推測される。

 

繰り返しになるが、私が近年読んだ中で指折りで勉強になった本だ。この本は税理士以外でM&Aに関与する実務担当者の必携の本になるだろう。もし迷われている方がいたら、騙されたと思って是非購入されたい。