ビジネスロー・ダイアリー

中年弁護士の独り言兼備忘録

「決戦!株主総会 ドキュメントLIXIL死闘の8カ月」の雑感③

こちらの本の話の感想の続き③

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さはさりながら、事実は概ねこの本に記載されているとおりなのだろう。私自身も弁護士の端くれとして、このような経営権争いに関わったこともあるが、あまりの迫真の描写に当時を何度も思い出させられた(関係者の裏で働いているであろうプロフェッショナル(弁護士等)が、どのようなスケジュール感で、どのような仕事をしているかも簡単に想像でき、読んでいていたたまれない気持ちにもなった苦笑)。

 

さて、この本を読んでいて業界大手の法律事務所及び大物弁護士がバイ・ネームで登場しており、かつ、どちからというと批判的なトーンで描写されている。これらの法律事務所及び弁護士があたかも潮田氏を守るために事実を捻じ曲げ、卑怯なことをしているかのような記載ぶりもあったが、推測するに、彼ら彼女らは依頼者(この場合は潮田氏/会社サイド)の利益の実現のために全力を尽くしているだけなのであるが、それが瀬戸氏サイドからみると(またこの本のエンタメ的側面を強調するという大人の事情から)、強引な手法に映ったのだろう(ただし、法律事務所内にて利益相反があったことを指摘するような記載もあったが、仮にそれが本当であれば正当な非難に値するだろう)。