ビジネスロー・ダイアリー

中年弁護士の独り言兼備忘録

ソーシャルメディアから考える参院選③

ごぼうの党と言えば、多くのインフルエンサーとのコラボだろう。筆者が調べた限り、ごぼうの党がコラボを行ったインフルエンサーは以下のとおりであり、総計すると500万回再生を超える。一部視聴者が重複しているとはいえ、相当な数字である。

インフルエンサー

再生数

 

ラファエル

107万回

 

朝倉未来

21万回

 

ヒカル

196万回

 

箕輪厚介

2.7万回

 

宮迫博之

111万回

 

三崎優太

24万回

 

てんちむ

5万回

 

サラ久保

1.2万回

 

TAKA(ONE OK ROCK)

100万回

 

※2022年7月12日筆者確認時点

しかし、自民党の全国の得票数は1300万票超、維新の下位が700万票、立憲民主党が500万票超、公明党が400万票超である。すなわち、ごぼうの党のインフルエンサーコラボ動画を見た全ての人が投票したとしても、立憲民主党の得票数にとどまる。このことからも、国政選挙のハードルの高さが分かるだろう。ごぼうの党の得票数が18万票なので、インフルエンサーコラボ動画を視聴した者のうち3%程度がごぼうの党に投票したことになる。この3%という数字は想像以上に大きい。単純計算でいけば、ごぼうの党がインフルエンサーコラボを繰り返し、例えば、1億回再生されれば300万票に到達することになる。今回の選挙において、参政党はSNS戦略が成功、ごぼうの党は失敗という文脈で語られるようなことが多い印象を受けるが、あながちそうではなく、彼らが活動を続ければ、より多くの得票数を獲得するかもしれない。ごぼうの党の得票数が多いことは比例代表を出した他の諸派政党と比べると、明らかだ。新党くにもりは約6万票、維新政党・新風は約5.6万票、日本第一党は7.6万票である。ごぼうの党の主義主張は万人に受けるものではないが、それでもたったの18日間の選挙期間において、インフルエンサーとのコラボで18万票を集めたことは称賛に価するといえるだろう。