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中年弁護士の独り言兼備忘録

司法修習生は何を勉強すべき?各論編(2022年版):英語の話す聞くの勉強法


今更ながら書きかけの英語のエントリーについて書いてみたい。一応、以下の一連のエントリーの一部という立ち位置で書こうと思うが、これだけ単体で読んでもらっても構わない。

 

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さて、留学志望の方はTOEFLを勉強し始めるのがいいのではないか?というエントリーを以前書いたが、断言するがTOEFL105点程度をとっても英語はビックリするほど話せないし、聞けない。なお、ざっくりとしたTOEFLの点数の難易度は以下のとおり:

・TOEFL105点程度:純ジャパがある程度勉強をしてとれるレベル。他方、帰国子女であればほぼノー勉で受験してとる点数。

・TOEFL110点程度:普通の純ジャパの壁。純ジャパでこの程度の点数がとれれば御の字。

・TOEFL115点程度:帰国子女がある程度勉強すればとれるレベル。たまーに純ジャパでこの点数をとる人がいるが、元々英語が好きで学生時代から継続して英語を勉強していたという例外事例。

さて、修習生には留学時に(これはかなり難しいが)できればTOEFL115点、頑張って110点程度を目指して欲しくて前回までの記事を書いた。今日は留学にはあまり興味ない、又は勉強っぽい勉強はしたくない、だけど英語を話せるようになりたいという方に向けたエントリーだ。

英語の聞く力を伸ばしたいのであればモゴバスと海外ドラマがお勧め

まず英語の聞く力。これが英語を話すうえで一番大事な能力だ。なぜならば、聞けなければ、コミュニケーションがとれないからだ。しかし、日本人にはこのハードルが非常に高い。もっとも習得に時間がかかると言っていい。

単語は知っている、発音も分かっているのに英語が聞き取れない理由は、音声変化のルール(というと大げさだが、要するに省エネ発音)が分かっていないことと、スピードに慣れていないことがあげられると思う。それぞれの対策について書いていきたい。

まずは前段の音声変化について。我々日本人もそうだが、慣れてくると丁寧に発音をすることはない。元気のいいラーメン屋に行ってみて欲しい。彼らは決して「いらっしゃいませ」とは発音していない。むしろ「しゃっいっせー」くらいの勢いで発音している。これと同じことが、当然ながら英語でも起こっている。これを学ぶのに有効な教材がモゴモゴバスターだ。

www.mogomogobuster.com

私もこの教材を取り組む前はあまりよく分かっていなかったのだが、英語には様々な音声変化があり、例えば、音がつながる(リエゾン/リンキング)、音が弱まる(リダクション)、音が脱落する(エリジオン)が存在する。もしかしたら、このどれか(特にリンキング)は聞いたことがあるかもしれないが、これを体系的に学ぶことができる教材は日本ではモゴモゴバスター以外にないように思う。

私の実感であるが、モゴモゴバスターを1周した時点でリスニング能力が数%、3周した時点で15%くらい上がった気がする。私にとってはこれをすればすぐに魔法のように英語が聞き取れるようになるというものではなかった。しかし、これは私は音楽的なバックグラウンドが全くなく、細かい音の違いが聞き取れないからであろう。このような人は、ルールを知っただけでは不十分で、音の違いが分かるように反復練習が必要なのだ。今は米国英語であればニュースを大分楽に聞き取れるようになったが、私のリスニング能力の基礎には確実にモゴモゴバスターがある。なお、私と異なり音楽的バックグラウンドがある人は、音の違いにセンシティブなので、音声変化のルールを学べばすぐに英語が聞けるようになるのではと思う。是非利用してみて、感想を聞かせて欲しい。

モゴモゴバスターで音声変化のルールを学んだのであれば、後は実践あるのみだ。昨今はYoutubeで無限の英語コンテンツに無料で触れらるようになった。本当にいい時代だ。しかし、私の実感としては英語を聞き流すだけではリスニング能力は発達しない。聞いて、答え合わせをして、音声を学んでいき、それで初めてリスニング能力が向上すると思っている。したがって、リスニング能力をあげたいのであれば答え合わせができる英語コンテンツに多く触れるべきだろう。

そこで、お勧めしたいのが動画ストリーミングサイト+スクリプトだ。Netflixを例にとって説明しよう。Netflixでは字幕表示を選べるようになっているので、字幕を英語表示に設定する。まずは字幕を見ずにNetflixを視聴し、分からないところがあれば止めて、少し巻き戻して英語字幕を聞きながら聞き直す。基本的にはこれを繰り返すのであるが、英語字幕が早すぎて分からない、又はいちいち動画を止めるとあまりに細切れになってしまい内容が頭に入らないことがある。その場合は、「ドラマ名 Script」で検索すれば、有名ドラマであれば大体スクリプトがヒットする。スクリプトがあればドラマの内容を追うのが一気に容易になるだろう。

選ぶドラマは自分の興味あるものでよいが、初心者には「フレンズ」が丁度いいと聞いた。少し自信がある方にはリーガルドラマの名作「SUITS」を観てみてもいいかもしれない。とってもレベルが高く、自信を無くすこと間違いなしであるが。。なお、私は最初にBBCの「Sherock」を選んで爆死した。

英語の話す力を伸ばしたいのであればオンライン英会話がお勧め

さて、次は英語の話す能力を伸ばす方法であるが、これはもう実際に話すしかないだろう。今は格安で学べるオンライン英会話がたくさんあるので、そのどれかを利用すればよい。オンライン英会話を選ぶときのポイントは以下のとおりかと思っている:

・ネイティブと話したいか

・予約制がいいか、飛び込み制がいいか

・TOEFL対策の教材があるか

・1週間にどの程度レッスンを受けたいか

・ご予算

例えば、ネイティブと話したく、TOEFL対策もしたい、生活も規則的でないので予約すれば確実に受講可能、予算も潤沢にあるぞ、という方はDMM英会話(ネイティブと話せるオプション付きで月額16,590円(1日1回プランの場合))を選べばいいし、とにかく安く、他方で話す機会はとにかく確保したい、しかし生活が不規則でいつ受講できるかは日によって変わる、という方はNative Campを選べばいいと思う(ネイティブと話すオプションを付けなければ月額6,480円で授業受け放題。)。この辺りは各社を比較したより詳しいサイトがあるので、詳細は説明はそのサイトに委ねたい。

ここでは私が初期の頃していたミスについて少し書いてみたい。私は初期の頃は受講の仕方が分からず、なんとなく教材を消化することに終始してしまっていた。断言していいが、この方法で謎に自己紹介は上達するが、話す力は身につかない。なぜなら、教材自体が自分で考えて話す(自分の意見をいう)ことに重きをおいたものが少なく、また、せっかく自分の意見をいうターンになっても、自分が1つ発言すると講師がそれに対して3つ4つ発言するので、結局は講師の意見を聞くことに終始してしまうことが多いからだ。

これを回避するためには、ある程度予習して、話したいことを決めておくしかない。授業前に教材を少しだけ見て、自分の回答・意見を事前に準備しておけば、授業中でも自分の話す時間が長くなり、英語力向上に繋がる。自分が会話の主導権を握ることができるので、(講師の話を聞くのではなく)講師に自分の話を聞いてもらうことができるのだ。

私もまだまだ発展途上

さて、偉そうに英語の勉強方法について書いたが、私もまだまだ発展途上(であると思いたい)で、非英語圏の方であれば意思疎通を図れるが、英語圏の方が本気で話したときはお手上げという程度の英語力だ。おっさんであるが、所詮語学は壮大な慣れという、誰かの名言を心に留め、これからも日々英語学習に励んでいきたい。