ビジネスロー・ダイアリー

中年弁護士の独り言兼備忘録

2022-01-01から1年間の記事一覧

「決戦!株主総会 ドキュメントLIXIL死闘の8カ月」の雑感①

今日からは話題の新刊「決戦!株主総会 ドキュメントLIXIL死闘の8カ月」を読んだ感想について書きたいと思う。 [http://:title] 著者は記者の秋場大輔氏。インターネット情報によると、秋場氏は日本経済新聞社で電機、商社、電力、ゼネコンなど企業社会を幅…

同性婚を認めない民法等の規定を合憲とする大阪地裁の判決を読んだ雑感⑤

③については、議論がずれてしまっているように思う。確かに、公認に係る利益を認めるための法的枠組みについては様々なものがあり、民主的な過程で決めるべきことであろう。しかし、本件の本質的な問題は、法律婚ができないことにより生じている公認に係る利…

同性婚を認めない民法等の規定を合憲とする大阪地裁の判決を読んだ雑感④

こちらのエントリーからの続きです。 ①については、指摘のとおりであると思う。しかし、大阪地裁も指摘しているとおり、税法等の私法以外の法律分野では当事者の合意では解決できない差異が残っている(例えば、配偶者控除の可否は当事者の合意で解決できる…

平本蓮選手 - カリスマ性と努力を兼ね備えた稀有なアスリート

閑話休題で、平本蓮選手について書いてみたい。なお、私はいわゆるにわかファンなので、にわかファンからの目線ということで見て欲しい。 平本蓮選手を知ったのは、多くの人と同様、2020年の大晦日の萩原京平選手との試合からである。彼の強気の発言、K1での…

同性婚を認めない民法等の規定を合憲とする大阪地裁の判決を読んだ雑感③

さて、大阪地裁が立法裁量の中で何を論じているかというと、 ①法律婚の配偶者間の法的権利義務等は、事実婚のパートナー間の法的権利義務等と異なるが、事実婚のパートナーも当事者間の合意で、一定の範囲においては、同様の法的権利義務等を実現できる ②そ…

同性婚を認めない民法等の規定を合憲とする大阪地裁の判決を読んだ雑感②

他方で、内容を見ると、少しいただけないところが多い。まず判断枠組みが憲法論として違和感を感じる。大阪地裁は大きく分けて、①婚姻等の制度は法律において定めることを規定した憲法24条2項、②平等権を定める憲法14条1項との関係で、同性婚を認めないこと…

同性婚を認めない民法等の規定を合憲とする大阪地裁の判決を読んだ雑感①

2022年6月20日、大阪地裁で同性婚を認めない民法等の規定を「合憲」とする大阪地裁の判決(大阪地裁平成31年(ワ)第1258号)が下された。2021年3月17日に札幌地裁で同性婚を認めない民法等の規定を「違憲」とする札幌地裁の判決がくだされたが、大阪地裁は先…

ウクライナに対する侵攻に関するロシア制裁について④

これまでのポストで説明したように、制裁法も適用範囲を確認すれば、常識的に見て安心して取引が行えることもある。さはさりながら、このように緊急時に新たに立法される法律は十分に練られていないことも多く、解釈にも幅がある。その意味でどこまでいって…

ウクライナに対する侵攻に関するロシアに対する制裁について③

EUの制裁も同様に考えられる。EUのロシアに対する制裁は2014年のクリミア侵攻から始まっており、このときに制定されたEU規則を改正することで今般の制裁を課している[1]。ロシア制裁に関して基本となるEU規則はCouncil Regulation (EU) No 269/2014とCouncil…

ウクライナに対する侵攻に関するロシアに対する制裁について②

まず英国におけるロシアに対する制裁についてであるが、この制裁は2018年に制定されたthe Sanctions and Anti-Money Laundering Act 2018[1](「英国制裁法」)が大元になっている。この法律は英国における制裁法の根拠法となるもので、この法律を根拠として…

ウクライナに対する侵攻に関するロシアに対する制裁について①

筆者が仕事の都合上、英欧によるロシアのウクライナに対する侵略に対する制裁を調査する機会があったので備忘のために制裁の概要を残しておく。なお、全て筆者の個人的な意見であり、筆者が所属する団体の意見ではない。また、内容の正確性には気を付けてい…

ダウンタウンについて③

しかし、これには副作用があるように思う。まずは、他人が用意した舞台で自らの良さを引き出す術が磨かれない点だ。Youtuberは常にセルフマーケティングをしているため、自らの良さを自らで引き出すことには長けているが、他人が用意した舞台で自らの良さ、…

ダウンタウンについて②

まずはYoutubeやTickTockに代表されるSNSの動画共有サービスの魅力は何か。SNSという個人を発信する媒体であることから、彼ら/彼女らは日常・非日常を恣意的に切り取り、配信し、自らのストーリーを視聴者とともに現在進行形で作っている[1]。Youtuberは自ら…

ダウンタウンについて①

お笑いの素人ながらダウンタウンのすごさを考えてみる。現在、最も成功しているお笑い第三世代はダウンタウンであろう。お笑い第三世代は、とんねるずを除き、テレビを主軸にメディアに露出しているのでまずはテレビ的な文脈で考えてみる。 この時代における…